ブルボンのアルフォートをはじめとし、多くの大手お菓子メーカーが自主回収を余儀なくされた騒動が2019年に発生しました。
ブルボンなどの誰もが知っていて多くの人に長年愛されているお菓子に何があったのでしょうか。

今回はその大規模な自主回収の真相を徹底的に調査して、分かりやすくまとめてみました。
アルフォート自主回収の真相
アルフォートをはじめとする、有名なお菓子の多くが自主回収することになってしまった原因と影響や回収後の対応を調べてみました。
原因
回収の原因となったのは、「宇部興産の製造設備の破損」だということでした。
原因解明にあたり、下記ポイントについて詳しく調べて分かりやすくまとめていきます。
- 宇部興産について
- 製造設備の破損とは
- 破損から回収までの流れ
宇部興産について
宇部興産とは、「化学」「建設資材」「機械」の3つの事業を柱とする株式会社です。
自動車の部品や情報関連機材、インフラや薬など、私たちの日常生活を支える製品を多数取り扱っています。
その中で、今回の回収事件騒動を引き起こしてしまったのは化学の中枢を担っている「宇部ケミカル工場(山口県宇部市)」でした。
製造設備の破損とは
宇部ケミカル工場で起きた、製造設備の破損とは、「菓子原料の膨張剤( 重炭酸アンモニウム)の製造ラインの破損」だったようです。
この菓子原料の膨張剤は、多くの菓子メーカーで使用されていたため、たくさんの有名なお菓子が回収の対象になってしまいました。
重炭酸アンモニウムとは
化学式NH₄HCO₃
ホットケーキミックスやビスケットなどのお菓子の膨張剤として使われています。
よく知られている膨張剤の「重曹」よりも低温でより多くのガスを発生させることができます。
破損から回収までの流れ
製造ラインの破損が起きてから、商品回収に至るまでどのような経緯で物事が進んでいったのでしょうか。
事態発生から、回収までの流れを分かりやすくまとめてみました。
- 2019年2月21日、工場での出荷前検査で長さ約1ミリのステンレス片が見つかる
- 膨張剤製造ラインを詳しく調査し、機械の一部が損傷していることが発覚
- 金属片混入の恐れがあるロットを精査し、混入リスクがある製造期間を特定
- 納品先へ回収の連絡がおこなわれ、各メーカーから対象期間内に製造した出荷済みの商品を回収
- 対象範囲のより前に製造した膨張剤に、異物が入っていたと納品先から連絡が入る
- 再度、製造ロットを調査し、1月30日~2月20日に製造したものと特定
- 各メーカーへ改めて金属片混入リスクのある膨張剤の使用停止と回収を連絡
- 各メーカーでは、既にお菓子に使用し出荷済みのものがあったため、3月20日に対象商品の自主回収を発表


しかしながら、金属片を発見したことや、どこの部品がいつ破損したのかを把握できているということは、商品の検査や定期的な設備の点検や記録などの体制がしっかりしているからこそだと思います。
対象商品
実際に自主回収の対象となった商品は、アルフォートを代表とするブルボンでは7商品、チョコパイを代表とするロッテでは8商品を自主回収しました。
<自主回収商品の一部>
- アルフォートミニチョコレート
- プチチョコチップ抹茶
- プチチーズ
- チョコパイ6個入り
- ビックリマンチョコ(悪魔VS天使 第33弾)
ブルボンの自主回収情報です pic.twitter.com/6islnhWVnH
— おそば (@YfLkoSiOdcTWKwD) March 20, 2019

回収後の対応
自主回収の対象となった商品を返品するとどのような対応があるかを見てみましょう。
ブルボンでは、対象商品を指定の場所に着払いで送ると、開封していても未開封でも、商品代金相当のクオカードを返送していました。
根本的な原因は、お菓子メーカーではなかったものの、責任をもって商品を回収し、お詫びとして金券を返送するという対応をしているのはお客様思いの誠実な対応ではないでしょうか。
まとめ
今回は、アルフォートが自主回収された事件について、真相を細かく調べてみました。
アルフォートを作っているブルボンではなく、宇部興産というお菓子の膨張剤を生産している工場が原因で起きたことが分かりました。
また、アルフォート以外にも回収の対象となった商品がありましたが、どのお菓子も返品すると商品代金相当の金券を返送する対応をしていました。
もし今後、自分の購入した商品が自主回収の対象となった場合は、自身の健康を守るためにも返品しましょうね!