源平合戦というと、有名なのが『源頼朝』率いる『源氏』と『平清盛』率いる『平家』が戦った『壇ノ浦の戦い』などは聞いたこともある人が多いのではないでしょうか?
とは言っても今回紹介する記事は歴史上の源平合戦ではなくて、お菓子界の源平合戦『源氏パイ』と『平家パイ』について記事にしていきたいと思います。
静岡県浜松市にある三立製菓さんが作っているお菓子です。
ところで、上の写真をみて疑問に思った人もいるんではないでしょうか?
なぜ『源氏パイ』『平家パイ』って何が違うのか?名前の由来は? パイの形に意味はあるのか?など
『源氏パイ』と『平家パイ』の違いについて解説していきたいと思います。
『源氏パイ』と『平家パイ』の違いとは?
左が『源氏パイ』、右が『平家パイ』になります。
源氏パイの形はハート型になっています。一方の平家パイは四角形のパイの形になっていて、パイの上にはレーズンがのっているのが平家パイの特徴です。
源氏パイの食べた食感はサクサク感があり、シンプルなパイに仕上げられています。
平家パイはふわふわなパイの食感があり、噛むとレーズンの香りがする上品なパイに仕上がっています。
源氏パイの誕生
『源氏パイ』の誕生は1965年。
当時の開発担当者がパイの本場ヨーロッパを視察中にパルミエというハート型のお菓子に出会いました。
パルミエとはフランス語でヤシの葉という意味です。ヤシの葉を反対にするとハート型に見えることが源氏パイがハート型になった由来です。
ハートの形がどのように作られているかというとオーブンで焼くと自然に膨張してできる形だそうで、だからいろんな形のハート型ができます。
このキレイなハート型を作るには『手作業でなければ不可能』と言われるぐらい難しいと言われていて、開発当時の担当者はそれでも多くの人に食べてもらいたいと山ほどの失敗を乗り越えて量産化に成功したのです。
このハート型には、三立製菓の思いが詰まっています。
『源氏パイ』モンドセレクション最高金賞受賞
源氏パイは何度もモンドセレクションの金賞に輝いている世界から認められている高級パイです。
お菓子の本場はヨーロッパであり、そこで権威のあるモンドセレクションを受賞するのは大変意味のあるものです。
当時は輸送方法が船便しかなかったため、油脂を多く使用しているパイは変敗がネックとなりました。またパイは破損しやすいため丁寧に梱包をしたりと遠くのヨーロッパにまで無事に届けるのが大変な作業でありました。そんな苦労もあって日本で初めて三立製菓が『5年連続受賞トロフィー』を受賞しました。
『源氏パイ』は種類も豊富
『平家パイ』の誕生
1993年に『レーズンパイ』として誕生しました。
幾層にも折り重ねたパイ生地に洋酒漬けのレーズンをトッピングし、ていねいに焼きあげたホームメイド感覚のパイです。
レーズンの香りをたっぷり味わうことができる高級感たっぷりなパイに仕上げられています。
平家パイのかたちは『源氏の放った矢を受ける盾』と見立ていて、レーズンは矢を何本も受けたあとのイメージで作られているということのようです。
上品さにこだわる『平家パイ』
平家パイは源氏パイに比べて上品な仕上がりになっています。
サクサクな食感の源氏パイと比べて、平家パイはふわふわな食感のパイ生地になっています。
さらには洋酒漬けのレーズンが乗っかっていて、とてもおしゃれで上品さが見てとれることから大人の方にオススメしたいお菓子になっています。
平家パイの裏側には画像のように線が入っており、ふたつに割って食べることができます。
口もとを汚さないようにという配慮がなされていて、子供たちのおやつの時間ではなくて、大人のお茶会の時間などにぴったりなお菓子になっています。
『平家パイ』はもともと「レーズンパイ』
平家パイが発売されたのが1993年です。
発売当初は『平家パイ』という名前ではなくて『レーズンパイ』という名前で発売されていました。
もともとお客様からも『平家パイ』はないのですか?というお問い合わせを受けることがあり、ネットでも同様の声が複数ありました。
そんな中、2012年のNHK大河ドラマが『平清盛』に決まったことを受けて発売が決まりました。
1993年から親しまれた『レーズンパイ』から『平家パイ』に改名されることになりました。
パッケージと名前だけが変更されて、味と中身は『レーズンパイ』がそのまま引き継がれることになりました。
『源氏パイ』と『平家パイ』の名前の由来
源氏パイが販売されたのが1965年です。
三立製菓の開発者がヨーロッパに訪れ『このような美味しいパイを作って食べてもらいたい』と開発が始まり、発売されました。
発売当時、日本では洋風のパイの認知度が低かったため、商品名には和名を検討していました。
そんな中、発売翌年の大河ドラマが『源義経』に決まったことを知り、人気番組同様に多くの皆様に愛される商品になるようにと『源氏パイ』と命名されました。
最後に
『源氏パイ』と『平家パイ』のと違いについて解説していきました。
全く違う特徴をもった2つのパイだということがわかりました。
高級パイが日本で認知度が低かったため、世間に広げるために、インパクトのある名前をつけた経緯があったんですね。
名前だけでなく、すごくこだわりをもって作られている『源氏パイ』なので世間に広まり、子供から大人まで愛されるお菓子になったのだと感じました。
一方『平家パイ』もNHK大河ドラマきっかけで生まれた商品ですが、源氏パイとは全く別のお菓子でとても魅力に感じました。
見た目から味まで上品さがあり、大人のお菓子好きな人にはたまらないお菓子になっていました。
名前は後付けであって、おいしいパイを皆さんに届けたい一心でできた『源氏パイ』と『平家パイ』だったということがわかっていただけたんではないでしょうか?
ぜひ『源氏パイ』『平家パイ』の源平合戦を口のなかで楽しんでみてください。