そんな疑問を持ったことはありませんか?
初めて会った人の悩みもピタリと当ててアドバイスをくれる占い師ですが、彼らはどうやって私たちの悩みを当てているのでしょう?
実は、占い師の多くは占いの知識だけではなく、相談者の心を上手につかむ心理学のテクニックも使いこなしています。
この記事を読むと、占い師がどんな心理学的なテクニックを使っているのかわかります。
占い師が使う心理学『コールドリーディング』とは
コールドリーディング(Cold Readings)とは、言葉のテクニックや心理的なトリックを使って初めて会った人の心を読みとり、未来の出来事を予言することです。
Coldは「事前準備がなく」「即興で」、Readingsは「相手の心や気持ちを読み取る」という意味であり、多くの占い師や霊能者が使いこなしている、裏のコミュニケーション術といえます。
コールドリーディングを上手に使うと、相手から信頼され心を開いてもらうことができます。
実際、信頼できる相手に言われたことは信じやすく、信頼できない相手に言われたことは疑いたくなるのが人情というもの…
そのため、占い師にとって、相談者の信頼を得ることはとても重要なのです。
占い師はコールドリーディングを使って、相談者の心を読み取って信頼関係を築き、その後の占いをスムーズに進めていきます。
では、占い師が使う心理学『コールドリーディング』には具体的にどのような方法があるのでしょうか。
占い師の心理学(1)ラポールを築く
ラポール(Rapport)とは信頼関係のことです。
一般的な「誠実な人柄だから信じられる」とか「仕事が素早いから信用できる」などという理屈に裏づけされた信頼ではなく、どことなく信じられる、なんだか気が合うといった直感的な信頼感がラポールです。
人は一般的に、信頼関係が築けている相手から言われたことは、無意識のうちに信じたり良いほうに解釈したりしようとします。
占い師は、まず最初に相手の警戒を解いてラポールを築こうと、ひそかに働きかけます。
占い師がラポールを作るための具体的な行動としては、
- 堂々としたふるまい、服装やメイクなどの外見で、頼れる占い師という印象を出す
- 部屋全体を薄暗く、ミステリアスな音楽を流すなど場の雰囲気を作りあげる
- 占い師自身がリラックスして見せることで、相談者にくつろいでもらう
- 占いを始める前に相談者をすばやく観察し、身なりや動作、挨拶しかたなどから性格や悩みを探る
- 相談者と占い師の話す割合を7:3程度にして、聞き役の立場にまわる
などが挙げられます。
話す割合を7:3にする「7:3の法則」というのを、聞いたことはありませんか?
実は7:3の法則は、ビジネスやコミュニケーションの場で使われる、聞き上手になるためテクニックなんです!
7割程度の比率で相談者に多く語ってもらうと、相談者は心地よくなり、占い師に対して心を開きやすくなるでしょう。
相談者が占い師に信頼感をもっている、あるいは心を開いている状態にすると、その後の占いをスムーズにすすめることができます。
相談者が占い師への警戒を解き始めたところで、占い師はコールドリーディングを進めていくのです。
占い師の心理学(2)ストックスピール
相談者がリラックスして心を開いてきたところで、占い師はストックスピールというテクニックを使います。
ストックスピールとは、「誰にでも当てはまることなのに相手の事実を言い当てたように錯覚させる心理テクニック」のことです。
アメリカ人興行師P・T・バーナムがこの心理学を活用し ていたことから、バーナム効果とも呼ばれます。
「あなたには情熱的な面があります」「あなたは他人から強い人だと言われることも多いですが、実は弱い一面もあります」など、よく血液型占いや性格診断などで使われています。
実際の占い師の言い方としては、
信頼している人から裏切られたことがありますね。その出来事があってから、付き合う人との距離の取り方を少し考えるようになりました。素直に信じてしまうことは、必ずしもいいことだとは限らない。疑うことも時には必要だということを学びましたね。
引用元:石井裕之著『なぜ、占い師は信用されるのか?裏コミュニケーション「コールドリーディング」のすべて』、フォレスト出版株式会社、2005
あなたは本当に愛情深い人です。でも、それを伝えるのが下手なときがある。誤解されたり、冷たい印象を与えてしまったりするときがある。
引用元:石井裕之著『なぜ、占い師は信用されるのか?裏コミュニケーション「コールドリーディング」のすべて』、フォレスト出版株式会社、2005
やるべきことを後まわしにしてしまうところが少しありますね。面倒くさがり屋なところがある。せっかく実力があるのですから、もっとどんどん行動したほうがいい。
引用元:石井裕之著『なぜ、占い師は信用されるのか?裏コミュニケーション「コールドリーディング」のすべて』、フォレスト出版株式会社、2005
…どうでしょうか。
実際はだれにでも当てはまる内容なのですが、占い師に面と向かって言われると、「当たってる!!」と驚くのではないでしょうか。
このストックスピールというテクニックでは、できるだけあいまいな言葉を使います。
たとえば
という漠然とした言い方です。
誰にでも多かれ少なかれ経済的な問題はありますから、占い師にそう言われれば当たったことになるのです。
ここでたとえば
などという言い方をしてしまうと、当たる確率は大幅にダウンしてしまいますよね。
できるだけあいまいな表現を使い、断言を避けて相談者自身に解釈してもらうのが、ストックスピールのコツです。
最初の段階でしっかりとラポール(信頼)を築けておくと、占い師のあいまいな言い当てに対して、相談者は「当たっている」「この占い師は私のことを分かっている」と感じてしまうのです。
占い師の心理学(3)イエスセット
イエスセットとは、相談者が「イエス(はい)」と答えるような内容の質問をいくつも投げかけていき、次の質問にも「イエス」と答えやすいような流れを作っていくことです。
と、相手の興味を持ちそうな話題を下調べしておき、「イエス」と答えてもらえる質問を繰り返せば話が進みやすくなる、というのがこの「イエスセット」。
日常生活でもこっそり使えそうですね!
占いの場でこの「イエスセット」を使われると、占い師の質問に何度か「イエス」と答えていくうちに、相談者は占い師の存在自体が「イエス」であるかのような潜在意識を持ち、「よく当たる占い師だ」という信頼を抱くようになるのです。
先にお伝えしたストックスピールのあいまいな表現で、相談者の悩みをいくつも言い当てて「イエス」を積み重ねていくとのがポイントです。
そうすると、占いの内容に的はずれなものが混ざっていたとしても、相談者のほうから「当たっている部分」を探そうとしてくれるようになります。
占い師の心理学(4)サトルネガティブ
相手から情報を引き出すテクニックの一つであるサトルネガティブは、否定形の疑問文を使って問いかけることで、相談者がイエスと言ってもノーと言っても、どちらも当たりに持ち込めるという方法です。
相談者と占い師の理想的な会話の割合は7:3で、相談者から多くの情報を引き出していくのが重要です。
サトルネガティブの具体的なやりかたですが、
といった問いかけをします。
相談者が職場の人間関係に問題を持っていた場合は
などと進めていきますし、仮にそうでなかった場合でも、
といった形で、いずれにしても占いのミスにならずに話題を進めることができるのです。
占い師の心理学(5)セレクティブメモリ
セレクティブメモリとは取捨選択された記憶のことで、印象に残った部分だけが記憶に残るけれど、他のどうでもいいことは見聞きしたことさえすっかり忘れてしまうというという意味です。
占いが当たると、当たった部分だけが強く印象に残ります。
そのため、占いで外れた部分や相談者の心に響かない部分があったとしても、そのこと自体を忘れてしまうのです。
人間には無意識に都合のいい情報だけ集めたがる習性があり、確証バイアスとも呼ばれています。
村上の研究では,もともと占いに好意的な者ほど的中したと判断しやすいという結果も得られています。この理由としては記憶を歪めて判断しているというよりも,むしろ占いに合致した情報を想起しやすいこと(確証バイアスと呼びます)が挙げられます。そもそも私たちはオリンピックの試合のような結果と違い,多くの内容は的中した場合だけ思い出し,外れた場合は忘れてしまうことが多いのです。
引用元:公益社団法人日本心理学会「占いが当たっているように感じるのはなぜ?」
相談者がどのような答えを求めているのかを探り、そしてその人が求めている答えを導き出すと、相談者の印象に刻まれて満足させることが出来るのです。
プロの占い師は、多少のミスなど気にしません。
ラポールを築いてしっかり相談者を引き込むことができていれば、相談者は当たっていた部分をしっかり覚えて「よく当たる占い師だ」と評価してくれるのです。
まとめ
- 占い師には心理学のテクニックも必要
- 心理学のテクニックで相談者の心を開くと、その後の占いが進めやすくなる
- 占い師はあいまいで幅広く解釈できる言葉で占い、相談者自身に解釈を決めさせる
- 信頼を勝ち得た占い師は、少し外れても「よく当たる」と信頼される
以上、占い師が使う心理学のテクニックについてご紹介しました。
占い師は、占いの知識を持つことはもちろん、心理学やコミュニケーション能力もみがいているのです。
今度占いに行くときは、占い師の心理学のテクニックに意識を向けてみると新しい発見があるかもしれません。