プロレスにはさまざまな隠語があります。
この記事では、プロレス業界の隠語「ブック」について取り上げます。
ブックの意味から、ブックを破った試合を紹介。
さっそく見ていきましょう!
ブックとはなにか?
プロレス界のブックの意味
ブックとは
- 試合展開を打ち合わせること
- 試合の台本
ファンはこのような意味で、ブックという単語を使います。
プロレスには選手同士のストーリーや、思いもよらないサプライズがあります。
ファンをびっくりさせるよな仕掛けをするために、ブックが存在します。
ブックがあった試合を紹介
まずは嬉しいサプライズ(ブック)のあった試合を紹介します。
2019年11月3日の大阪大会で、長期欠場中の高橋ヒロム選手が電撃復帰というサプライズがありました。
この時行われていたのは、IWGPジュニアヘビー選手権試合。
ウィル・オスプレイ選手とBUSHI選手の試合後に、ヒロム選手は復帰します。
私は選手権試合にはブックが存在したと思っています。
オスプレイ選手とBUSHI選手の試合で、勝ったのはオスプレイ選手。
絶対的なチャンピオンに挑戦する形で、オスプレイ選手の最大のライバル、ヒロム選手は復帰しました。
ヒロム選手といえば時限爆弾です。
時限爆弾について
- ヒロム選手の必殺技はTIME BOMB(時限爆弾)
- ヒロム選手が海外遠征から帰国する直前には、試合会場で時限爆弾の映像が繰り返し流れている
- 「時限爆弾が爆発する=ヒロム選手が新日本プロレスで大暴れする」という意味
オスプレイ選手のマイクアピールが終了し、会場のモニターに時限爆弾の映像が流れた瞬間の観客の盛り上がりは異常でした。
ファンは「ヒロム選手が復帰する!」という喜びに沸き上がります。
もしも選手権試合の勝者がBUSHI選手だった場合、ここまでの盛り上がりはなかったと思います。
BUSHI選手とヒロム選手は同じユニット。
現在の新日本プロレスで同じユニット同士での選手権試合は、本隊所属の選手以外では行っていません(これもブックなんですかね?)
対戦相手が最大のライバルのオスプレイ選手だったから、ヒロム選手の復帰がここまで盛り上がったという例です。
ブックが破られた試合を紹介
試合の流れを無視して、自分のやりたいように試合をすることを「ブック破り」といいます。
不穏試合と表現されることもあり、ファンの間ではさまざまな憶測が飛び交います。
1986年4月29日。
三重県津市体育館で行われた、前田日明選手vsアンドレ・ザ・ジャイアント選手の試合は、ブック破りが行われたと言われています。
試合ではアンドレ選手の動きがおかしく
- 前田選手の技を受けない
- 全体重をかけてのフルネルソン(アンドレ選手の体重は200㎏以上)
試合中、あきらかに自分を潰しに来ていると感じた前田選手は、セコンドの星野勘太郎選手に
「やっちゃっていいんですか?」
と聞き、星野選手は
「俺に聞くな!」
と一蹴。
同じくセコンドの藤原喜明選手に
「アキラ行け!潰されるぞ!」
と声をかけられ、前田選手の攻撃も変化しました。
アンドレ選手の膝の皿めがけて、全力のキックを放っていきます。
体が大きく、体重のある選手に対しては下半身を狙っていくというセオリーがありますが、200㎏を超えるアンドレ選手は前田選手の鋭いキックで膝を狙われて対応できなかったのでしょう。
リングの上に「大の字」になって、試合を放棄してしまいます。
この試合は当初テレビ中継の予定でしたが、一部地域を除いて放送は中止されてしまいました。
あきらかに前田選手を潰しに来ている不穏試合です。
この試合の黒幕にはさまざまな説があります。
試合から40年近く経った現在まで語り継がれる試合です。
まとめ
プロレス界の隠語「ブック」について紹介しました。
試合によってはブックがあり、ストーリーの流れに沿ってレスラーも動いていきます。
しかし私たちファンには、どの試合にブックが存在したのかは分かりません。
映画やドラマの展開にワクワクするように、ブックにどんな内容が書かれているかがわか分からないからプロレスは面白いです。
レスラーの魂がこもった試合を見ながら
「この展開は、もしかしたらブックなのか?」
と、想像しながら見ることも面白いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!