北欧インテリアの家具ってシンプルで洗練されていて素敵ですよね。
しかし、自分の家でも使ってみたいと思いつつ、どんなメーカーがあるのか、どこがよいのかは詳しくはわからない方は多いのではないでしょうか。
初めての海外旅行もスウェーデンを選んでひたすらに街中散策をしていたくらいの北欧好きです。
この記事では、そんな私が北欧インテリアをコーディネートするのに知っておきたいメーカーや家具について解説します。
この記事を読めば北欧インテリアのメーカーや家具に詳しくなり、あなたの思い描く理想のお部屋に必要な家具はどれなのかが分かるようになりますよ。
北欧インテリアのメーカー・1番のおすすめ
私が北欧インテリアのメーカーとして1番におすすめするのは、カール・ハンセン&サンです。
その理由は2つあります。
- 北欧インテリアを構成する上で、部屋に占める面積と住人の過ごす時間の多さを考慮すると椅子は最も重要であり、椅子のラインナップが充実しているメーカーを選ぶべきと考えるから
- 椅子の中でも私がひときわ秀逸と考える、ハンス・J・ウェグナーのYチェアを扱っているから
です。
以下で詳しくお話しします。
カール・ハンセン&サン
1908年、家具職人カール・ハンセンがデンマークに工房を開設したのが始まりです。
世界的な家具デザイナーの1人、ハンス・J・ウェグナーのYチェアが有名です。
Yチェアは、明時代の中国の椅子にインスピレーションを受けてデザインされたもので、背もたれと肘掛けが1つになっているのが特徴です。
座り心地とデザインが両立している、1950年の発表以来70年にわたり愛され続けているロングセラーです。
カラーバリエーションはなんと50種類以上。
これだけあれば、どんなインテリアにも合わせられると言っても過言ではありませんね。
Yチェアは木のあたたかみと独特な美しいフォルムが合わさり存在感があります。
1脚あるだけでも北欧インテリアらしさを演出できる、アイコン的役割を果たしてくれます。
北欧インテリアのメーカー・7選
先ほどご紹介したカール・ハンセン&サン以外にも、素晴らしい北欧インテリアのメーカーがありますので、厳選した7社をご紹介します。
フリッツ・ハンセン
1872年創業のデンマークの老舗家具メーカーです。
デンマーク・デザインの第一人者であるアルネ・ヤコブセン作のセブンチェアがこのメーカーを代表するベストセラーです。
背もたれと座面が一体となっており、独創的な形が目を惹きますね。
シェルと呼ばれるこの部分は9層のベニヤで構成される成形合板で出来ています。
見た目は硬質な印象ですが、意外にも座って体重をかけてみると適度にしなり、身体に寄り添ってくれます。
デスク作業でもダイニングでも使えて軽くて丈夫、そしてスレンダーで心を掴むシェイプ。
シェルと脚にそれぞれカラーや形状のバリエーションがあり、組み合わせは100種類をゆうに越えます。
まさに万能な椅子だと言えます。
足のゴムのカバーが割れていたり、シェルが白なのでコーヒーのシミがあったりはしますが、まだまだ使えます。
お直しをしてまた何十年とお付き合いできたらな、と思っています。
PPモブラー
1953年創業のデンマークにある家具工房です。
こちらもカール・ハンセン&サンと同じくハンス・J・ウェグナーの作品を多く扱っています。
注目すべきは1949年発表のザ チェア。
その名のとおり椅子の中の椅子、椅子の概念そのものを体現したような形をしています。
背もたれから肘掛けにかけてのなめらかな曲線は、椅子というよりは彫刻のような美しさです。
1960年のアメリカ大統領選挙戦でジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンのテレビ討論会が行われた際に使われていたのは、有名なエピソードです。
シンプルであればあるほど些細な違いが目に付くのですね。
本物は曲線の出方が違うし、木目も左右対象なるように等、計算した上で木材を選んでいるのだということが分かりました。
木材の加工技術の高さ、工程の複雑さ、厳選された木材があってあの美しさが出来上がっているのかと思い知らされました。
お値段が高くなっても当然ですね。
モブラーとは、デンマーク語で家具という意味です。
ゲタマ(GETAMA)
1899年創業のソファやベッドを得意とする、デンマークの老舗家具メーカーです。
ハンス・J・ウェグナーとコラボレーションした椅子やソファが人気です。
現行品もありますが、安価であったり、経年変化を楽しんだりできるため中古やヴィンテージ品を探してメンテナンスして使う方も多いです。
もう別のソファを買ってしまったのでしばらくはご縁がありませんが、やはり憧れますね。
FDBモブラー
FDBはデンマーク生活協同組合連合会の略称です。
1866年にデンマークの一般の人々の日常生活に寄与することを目的にスタートし、1942年に家具部門が設立され、FDBモブラーが誕生しました。
ポール・M・ヴォルタのJ46が看板商品で、デンマークでは85万脚を売り上げ、当時のデンマーク人の5人に1人が所有していたと言われるほどです。
今はもうないんですが、私が小さかったときのダイニングの椅子がJ46と良く似ていたんですよね。
日本の家具のデザインにも影響を与えるほどのインパクトがあったんだなあと当時の勢いに思いを馳せてしまいます。
フレデリシア(FREDERICIA)
1911年に椅子工場として創業。
工場の業績悪化により1955年にアンドレアス・グラバーセンが買収し、第二次大戦後デンマークデザイン界を牽引した気鋭のデザイナー、ボーエ・モーエンセンを起用することで現在のブランドの礎を作り上げました。
代表的な商品は、ボーエ・モーエンセンが1958年に発表したスパニッシュチェア。
スペインの伝統的な家具を、ボーエ・モーエンセンの独自の解釈によりアレンジしたもので、1枚革でできた背面・座面とコーヒーテーブル代わりにもなる幅の広い肘掛けが特徴です。
自分だけの愛着のある椅子に育ってくれそうです。
アルテック
1935年、最も影響力を持った20世紀の建築家の一人であるアルヴァ・アアルトらにより「家具を販売するだけではなく、展示会や啓蒙活動によってモダニズム文化を促進すること」を目的に、フィンランドのヘルシンキで設立されました。
アルヴァ・アアルトが1933年にデザインしたスツール60が象徴ともいえる商品です。
椅子としてだけではなく、サイドテーブルとして、ディスプレイ台としても使える汎用性があります。
アルヴァ・アアルトが開発した、「L - レッグ」という強固な無垢材を直角に曲げる特許技術が使われているのが特徴です。
同じ技術を用いて作成された「L - レッグ」シリーズの他の家具とも相性がピッタリで、家中の家具を同シリーズで統一できます。
別売りの天板が四角のものと組み合わせたり、半円のものを買い足して丸テーブルにしたり、家族が増える等ライフスタイルの変化があったときにも柔軟に対応できるのが魅力的です。
ルイスポールセン
1874年に創業したデンマークの照明メーカーです。
北欧を代表する照明デザイナーのポール・ヘニングセンが1958年に発表したPH5がベストセラーであり、この会社の代名詞ともいえる存在です。
ユニークなシェードの形状は、照明の設置方法や光源にかかわらず、使う人が眩しさを感じないように設計されたもので、ほんのりと優しく部屋を照らしてくれます。
明かりをつけなくてもオシャレですし、明かりをつければ独特の柔らかい光につつまれるので、この照明があるだけで、お部屋の北欧インテリアらしさがぐっと引き立ちます。
購入するときは価格が高いように感じますが、このように世代を超えて長く使うことを考えれば、高すぎることはないですね。
まとめ
北欧インテリアのメーカーってどんなところがあるのか意外と知りませんよね。
私が1番にオススメするのは、ハンス・J・ウェグナーのYチェアを扱っているカール・ハンセン&サンです。
Yチェアは機能性もデザインも秀逸で、1脚あるだけで北欧インテリアらしさを演出してくれます。
その他のオススメの北欧インテリアのメーカーは下記の7社です。
- フリッツ・ハンセン
- PPモブラー
- ゲタマ(GETAMA)
- FDBモブラー
- フレデリシア(FREDERICIA)
- アルテック
- ルイスポールセン
使う人の生活に寄り添い、長く愛用できる北欧の家具。
家族の営みを記録してくれるような、ずっとお付き合いできるものに出会えるといいですね。